黄昏時は突然に|漫画家が読んだ漫画

坂道のアポロン/小玉ユキ

「坂道のアポロン」は、1966年の長崎を舞台にした青春漫画です。その年の初夏、横須賀から地方都市の高校に転校してきた薫少年は、暴れん坊と呼ばれる千太郎と、心優しいクラス委員の律子に出会い、それまで転校のくり返しで苦しい場所でしかなかった学校が、別の場所のように感じられてきます。律子の家はレコード屋さんで、お父さんはジャズのバンドをやっています。千太郎もそのメンバーの一人です。クラシックファンだった薫ですが、ここでピアノを弾かせてもらい、初めてジャズを弾いて、千太郎とセッションをして、ジャズの魅力にひかれていきます。たちまち輝きはじめる薫の青春。律子に思いを寄せる薫ですが、律子は幼なじみの千太郎が好きなようです。この恋のゆくえはどうなるでしょうか。爽やかな若さを感じさせる漫画です。

 

いわゆる「こち亀」です。亀有の交番に勤める警官の両津さんが、いろいろとこだわりの趣味や副業に手を出して、周りの部長や部下の中川たち、その他いろいろな人たちと騒動を繰り広げるギャグ漫画です。原則として毎回1話完結になっているのでどこからでも読みやすいです。驚かされるのは、作者の博識なことですね。車の話や、プラモデルの話、金魚の話など、いちいちマニアックです。30年以上週刊で続いているという奇跡のような漫画です。東京もんにライバル意識を持っている大阪の通天閣署のメンバーのキャラクターも面白く、出てくるとついつい笑ってしまいます。両津さんのいいかげんさと欲深いけど憎めないずっこけたキャラクターが、警官としてはありえないだけに面白く笑えてしまいます。

続きを読む≫ 2014/05/24 23:19:24

「カラマーゾフの兄弟」は、ドストエフスキーの小説を及川由美が漫画化したものです。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟のキャラクターがよく描き分けられていて、原作のイメージにも合っています。原作を読んでいればより楽しめると思います。原作は厖大なものなので、この物語を2冊の漫画にするのは大変だっただろうと思いますが、よく物語のエッセンスをつかんで漫画にしていると思いました。父親のフョードルや妖婦のグルーシェンカ、ミーチャの婚約者でイワンに心を寄せるカテリーナ、事件の真犯人であるスメルジャコフ、アリョーシャの師であるゾシマ長老など、主要なキャラクターもよく特徴をつかんで描かれていると思いました。

続きを読む≫ 2014/05/24 23:17:24